2023年5月28日日曜日

【館長ブログ】多くの出会いがありました

 1月11日から始まった「櫻田精一展 気韻生動~刻の流れをみつめて~」が5月28日に終了しました。5か月という期間の展覧会は当館始まって以来の長期にわたる展覧会でしたが、多くの櫻田ファンのご来館がありました。


作品が好きだったり、先生と関わりがあったりと、来館される理由は様々でしたが、何よりも驚かされたことは当館が発信する展示動画をご覧になった方が多く訪れたことです。遠くは福井県や、京都府から、どうしても直接作品を見たいとご来館されました。


元は、コロナウイルス感染症の流行で展覧会に来られない方のために始めた動画の発信でしたが、遠方の方々に作品の魅力を伝え、ご来館のきっかけとなることが今回わかりました。


当館は小さな美術館ですが、これからも全国の美術ファンの目に留まるよう、たくさんの作家や作品を紹介できる展覧会を開催していきたいと思います。


『冬の修道院』1978 櫻田精一

2023年2月12日日曜日

【館長ブログ】畠山孝一作品 先端技術館に常設展示

 陸前高田市の元漁師であった畠山孝一さんは35歳のころ大けがをし漁師として働くことが出来なくなり、三陸の岸壁の厳しさ荒々しさを描き上げ、絵画団体の新制作展に発表し会員として活躍しました。

時事通信社の記者 荒木健次氏に畠山先生の作品を紹介され、即座に当館で展覧会を開催したい旨を打診をしたところ畠山先生の快諾を得て、2018年「畠山孝一展 生命の宿るがごとく」を開催する運びとなりました。美術館スタッフも畠山先生の自宅を訪問、打合せなどで何度もお伺いしました。萬鉄五郎美術館からも先生の代表作「三陸愁想」500号をお借りすることができました。展覧会では、あまりにも大作で多くの方の驚きの声があがり、三陸の厳しさが伝わる岩肌、絵具の奥に潜む岩肌を描いた作品は、画家を生業としている方々にとっても多くの感動や学びがあると伺いました。

日経新聞の文化面に大きく取り上げられ、全国的にもその存在を知っていただける機会となりました。

そして今回、東京都港区北青山にあるTEPIA(先端技術館)に2点常設展示されることになりました。都心の公共的なビルに展示されたことは、この上なく嬉しいことで、この機会に多くの方の目に触れ、あらためて畠山孝一先生の画の素晴らしさと、画家 畠山孝一を知っていただけたらと思います。

近くにお寄りの際は、ぜひご覧いただきたいと思います。

三陸の譜(時雨)
1996年 油彩 カンヴァス
198×322.6

わが譜
2003年 油彩 カンヴァス
183×262