2026年7月22日水曜日

【館長ブログ】間瀬静江展 絵が人の心を動かす

 2026年4月10日~6月28日までの3か月は、日本画家 間瀬静江先生の展覧会を開催しました。間瀬先生は、日展・日春展でご活躍の作家で、花鳥画の時代とその後の童子の作品を分けて展示しました。

『春を運ぶ童子』

美術館を開設し10年になり、作品をご覧になった方からはたくさんご感想をいただいてきましたが、今回はこれまでにない出来事がありました。あるお客様が美術館に入り、『散華童子』という作品をご覧になった瞬間「心撃たれた、今まで様々な作品を観てきたがこんなことは初めてだ」「家に戻ってからも頭から離れない」と何度もご来館されました。このお話を間瀬先生に伝えたところ、直接お会いして話しをする機会が訪れました。お客様の強い想いにその作品はその方が収蔵することになりました。

『散華童子』

間瀬先生が童子を描くきっかけになったのが奈良の法華寺の「阿弥陀三尊及び童子図」の持幡童子に倣うといいます。作品はこの世の中の不条理を童子の存在が未来に向かって救っていくような宗教的神聖さを感じます。

一枚の作品がこれほどまでに人の心を動かす力はどこにあるのでしょうか。作品は、限られた時間を絵筆で刻み込んでいく作家の人生の痕跡であり、観る人にそれが伝わるのでしょう。この出来事であらためて絵の力を感じました。


前期・後期で2度開催されたギャラリートークでは、ミニコンサートとのコラボレーションがあり、たくさんのファンの方がご来館されました。音楽好きの間瀬先生とご関係のある出演者が歌やフルートの演奏で盛り上げてくださいました。


近隣中学校の鑑賞授業では、先生にご来館していただきお話をいただきました。子どもたちからは花鳥画の繊細な葉の描き方に驚きの声があがり、中でも彼岸花の中を走る狐の幻想的な輝きに、岩絵具の美しさを感じているようでした。


チバテレビに出演したときは、間瀬先生は「まだまだ思いの丈が出ていない。これからもその方法を探っていかなければと痛感している。」とおっしゃっていました。先生の留まることのない情熱を感じました。


この展覧会がこれからの間瀬先生の新たな活動の原動力になったのであれば幸いです。